王牌のお話し。
麻雀でプレイ中用いられる事のない王牌についてのお話し。
王牌。
王牌(ワンパイ)とは、麻雀で一局中に用いられる事のない牌の事です。
一般に四人打ちの麻雀では、十四枚が王牌となります。
日本では、一部がドラ標識牌として使われますが、本来は槓以外では使用される事は一切ない牌です。
ちょうど、十四枚と言うのが和了の際に必要な枚数である事から、五人目の打ち手と見なす事もあるようです。
王牌の扱い。
今日日本で打たれている四人打ちの麻雀では、王牌は常時十四枚とする事が多くなっております。
槓があった場合は、王牌から嶺上牌を取るため、その分王牌も一枚ずつ前にずれる事になります。
海底牌では槓は許されませんが、これは海底で槓すると嶺上牌を取ったら王牌が不足してしまうからです。
- しらぎく麻雀も、三人打ちなど特に規定がある場合を除いて十四枚残しとしております。
かつての王牌の扱い。
ところで、かつては王牌を常時十四枚とするルールではなかったそうです。
昔は、一槓七、両槓八、三槓九、四槓算了と言うルールだったそうです。
昔はドラがなく、嶺上牌は下に降ろさずに王牌の上に乗せており、嶺上牌の名称の由来も、このように山の上に載った牌である事でした。
一回目の槓で、王牌は一幢加えられ、見た目七幢(十五枚)になります。
二回目の槓では、王牌は更に一幢加えられ、見た目八幢(十六枚)になります。
そして三回目の槓でも、王牌は更に一幢加えられ、見た目九幢(十七枚)になります。
- 嶺上牌代わりに持って行かれた結果、上の一枚が欠けている幢がありますが、それは気にしないようです。
つまり、このルールの元では、王牌は槓毎に一枚ずつ増える事になります。
- ドラ・槓ドラありの場合、ドラ標識牌としてめくられていない四幢を王牌として残すと言う説明もあります。
かつての扱いが廃れた理由。
この方法は、今日では殆ど見掛けなくなりました。
海底での槓は海底無槓と言う言葉があり、禁止されるのは分かりますが、海底前で槓してしまうと、残っている牌は一枚しかないため、王牌に一幢送る事が出来なくなります。
- もっとも、三槓九の状況を見れば、上の一枚が欠けていても構わないのでしょう。日本人は厳格さを好むので、やはり不自然な気になります。
こう言った問題点があるため、今日では一槓七、両槓八、三槓九、四槓算了と言うルールは廃れ、王牌は十四枚残しが一般的になっております。
- 制作者も十四枚残しが良いと思っております。
海外はどうでしょう。
ところで、海外ではどうなっているのでしょう。
- 台湾
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台湾では、十六枚残しが主流のようです。
台湾の麻雀は、手が十六枚から成るため、王牌も十六枚にしているようです。
尚、海底での槓は禁じられておりますが、海底で花牌を引いた場合は、その花牌を手から抜取ってその時点で荒牌とする事になります(この場合、嶺上牌は取りません)。
- 尚、花牌を切らずに手の中に収めて、他の牌を切る事も可能ですが、花牌でない牌は放銃の危険があるため、花牌を抜き取って流局にする方が安全でしょう。
- 大陸
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大陸にもいろいろなルールがありますが、国際ルールには王牌はありません。
つまり、最後の一枚まで摸牌し切ります。
王牌を否定するのは、如何にも共産圏らしい発想ですが、このルールなら海底で槓出来ないのも合理的に説明出来ます(海底は本当に最後の一枚となり、嶺上牌が残っていないため)。
尚、大陸では花牌を用いる場合が多いのですが、大陸では花牌はそのまま河に切っても良い事とされており、海底で花牌を引いた場合、嶺上牌が残っていないので当然
- その花牌を河に切り出すか、
- その花牌は手に収めて他の牌を切る
しかありません。
- 最も、花牌は絶対に放銃出来ない牌なので、わざわざ放銃の危険がある他の牌を切るより、引いて来た花牌をそのまま切るのが最善でしょう。
その他のところでも、王牌をなくしているか、或いは一定の枚数にしているのが主流のようです。