ビデオシステム社の作品のお話し。

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昭和末期から平成一桁の頃に脱衣麻雀をリリースしていたビデオシステム社の作品について。

概要。

ビデオシステム社はかつて京都市左京区に存在していたビデオゲームメーカです。

昭和59年にビスコ社から分離独立して設立されました。

昭和60年に脱衣麻雀ランジェリーハウスをリリースののち、幾つもの業務用二人打ち麻雀を開発しております。

また、消費者向けのソフトウェアとして、平成元年にはPCエンジン向けわいわい麻雀〜ゆかいな雀友たち〜(脱衣はない全年齢向作品)などもリリースしております。

個人的には当時の業務用麻雀のメーカとしては最も麻雀としてのゲーム性が良かったブランドだと思っております。

以下、昭和末期の事の作品について二人麻雀の見地のみから解説します。

  • 脱衣とかのキャラクタの評価などには正直全く興味がないので、ここでは一切論じません。麻雀放送局の平成20年代版が出たらと思った事はありますが。

ルール。

ビデオシステム社の製品の大きな特徴として、地域差のある麻雀のルールに対応すべく、幾つかのヴァージョンを用意していた事が挙げられます。

  • ディップスイッチでの選択ではなく、ルール毎に違うROMを焼いていたみたいです。

共通ルール。

  • 東南半荘制。但し所定の回数和了するか箱点にすると決着が付く制度なので、南場終了後は東場に戻る。
  • 持ち点はプレイヤは通常千点。相手はキャラクタ事に設定される(大体五千点以上)。
  • 常時一翻縛り。
  • 槓ドラ, 一発, 裏ドラあり。但し裏ドラは初ドラの裏ドラのみ有効。
  • 振聴での栄和は不可。
  • 喰い直しは現物・筋とも可。
  • 不聴罰は千点。片方が不聴の場合のみやり取りがある。
  • 七対子は五十符一翻。数満貫となる場合でも一翻

ヴァージョンごとに異なるルール。

摸八平和
  • なし(三十符一翻計算)
  • あり(二十符両翻計算)

の二種があったが、前者の方が多くリリースされていた。

喰断・先付

の二種があったが、前者の方が多くリリースされていた。

和了役。

和了役は日本牌棋院が策定した新現代ルールを引用していたと思われます。

一翻役
門前摸和, 立直, 平和, 一盃口, 七対子(※1 ※2) (以上門前のみ), 断幺九, 翻牌, 嶺上開花, 海底摸月, 河底撈魚, 槓ブリ(槓振和)(※3)
両翻役
ダブル立直(二重立直) (門前のみ), 一気通貫, 三色同順, 混帯幺(混全帯幺) (以上喰い下がり), 対々和, 三暗刻, 三連刻(※4), 混老頭, 小三元
三翻役
両盃口(※5) (門前のみ), 清帯幺(純全帯幺), 混一色, 一色三順(※6 ※7) (以上喰い下がり), 三色同刻(※8), 三槓子(※9)
五翻役
清盃口(※10) (門前のみ), 一色四順(※11), 五門斎(※12)
六翻役
清一色(喰い下がり)
満貫役
流し満貫(幺九振切)
役満貫
天和, 地和(※13), 人和(※14), 大三元, 小四喜・大四喜(四喜和), 字一色, 清老頭, 緑一色, 大車輪(※15), 百万石, 九蓮宝燈, 四暗刻, 四槓子(※16), 国士無双, 十三不搭(※17)

新現代ルールとの主な相違点。

ビデオシステム社が引用していると思われる、新現代ルールとは、幾つか異なる点があります。

七対子に伴う特殊な役がない

新現代ルールでは、七対子は門子型とは異なるものと見なし、七対子に伴う役については特別な定義を与えておりましたが、ビデオシステム社では門子型の役を準用すると言う通常のルールに従ったものとなっております。

具体的には、以下の違いがあります。

  • 新現代ルールに於いて、混一色及び清一色については、当時は門前一翻増しと言う考えを採っており、必ず門前となる七対子ではわざわざ一本を加える必要はないとして、喰い下がりとなる翻数(それぞれ両翻, 五翻)としておりました。

    • 今日ではいずれも喰い下がり役とする考えの方が多いのですが、実はこれが正統な扱いとなっております。

    しかし、ビデオシステム社では、門子型での門前での翻数が加算されます。

  • 新現代ルールでは、字牌七対子(字一色七対子)について、字一色は対々和型のみが正当と見なし、役満貫より安い点数にしておりますが、ビデオシステム社では門子型同様役満貫としております。
  • 新現代ルールには、四風七対子(現代七対子…四風牌を四種とも含めた七対子)など特殊な七対子役が定義されておりましたが、ビデオシステム社ではこれらの定義はありません。
燕返しがない

燕返しとは、立直者の放銃に対して与えられる役ですが、余りにも特殊なルールのためか採用されておりません。

定義されていない役が幾つかある

槓振和, 三連刻, 人和, 十三不搭は新現代ルールでは定義されておりません。

翻数が一部異なる

両盃口及び清盃口、いずれも新現代ルールと異なった翻数となっております。

地和の定義が異なる

新現代ルールでは、荘家の第一打での栄和とされておりますが、ビデオシステム社では散家の第一摸牌での和了となっております。

但し、バグに依り、アイテムの使用で荘家でも地和と見なされる場合があります。

コンピュータのプレイ。

  • コンピュータは門前のみならず、吃, ポン, 槓を駆使して手を作ります。
  • 門前で聴牌すると必ず立直する訳ではなく、闇聴で和了する事もあります。

このため、個人的には麻雀ゲームとしては非常にゲーム性が高い打ち手と評価しておりました。

主なバグ。

  • 槓をすると、三連刻, 三色同刻, 五門斎が判定されません。
  • 和了役の判定が刻子優先の方法のみとなっているのか、門前の一色三順は仮令そう取った方が有利であっても三連刻と判定されます。
  • 荘家になって配牌を牌交換アイテムを使って和了出来る形にした場合、天和とはならず、地和と判定されてしまいます。