台湾麻将での七搶一について。

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七搶一とは。

七搶一(チーチャンイー)とは、台湾麻将(十六張麻将)に於いて採用される事がある、特殊な和了形です。

台湾麻将では花牌を八枚使用しますが、

  • そのうちの七枚を一人で手に入れて抜出し(捕花(プーフア))、
  • 残りの一枚を他者が捕花(プーフア)した

状況になった時に成立する和了形です。

花牌の状況に依り成立する役ですので、手が和了の形(五門子一雀頭)になっていなくても七搶一が成立します。

取扱いとしては、残りの一枚を捕花した者が放銃したものとして扱われます。

七搶一が成立する状況。

七搶一が成立する状況は、以下の様な場合となります:

配牌で他者が花牌一枚を手から抜き出し、自分が残りの七枚を全部手から抜出せた場合

この場合、花牌抜出し後の第一摸牌で七搶一の和了が成立します。

但し、自分の第一摸牌の前に他者が和了した場合(天胡や地胡など)には当然無効となります。

他者が花牌一枚、自分が花牌六枚を手から抜出している状況で、最後の一枚を手に入れて抜出した場合

この場合、最後の一枚を抜出した直後の嶺上牌を取った時点で七搶一の和了が成立します。

但し、海底で花牌を引いた場合は、嶺上牌が取れないため、七搶一の和了は成立せず荒牌となります。

自分が花牌七枚を手から抜出している状況で、他者が最後の一枚を抜出した場合

実戦ではこう言う状況では最後の一枚を手にした者は、手の中に仕舞い込んで一局終了まで握り潰す筈です。

  • そうしないと七搶一に放銃する事になるのですから。
  • 尚、花牌は手の中で使う事は出来ないため、花牌を握り潰す行為は即和了放棄となってしまいます。

しらぎく麻雀の場合、自動的に花牌を抜出すようになっているため、強制的に七搶一に放銃させられる事となっておりました。

七搶一の和了取扱い。

七搶一は、花牌八枚のうち七枚を手にした者の和了となります。

配牌後の第一摸牌か嶺上牌をとった時点で和了となりますが、扱いとしては残りの一枚を抜出した者の放銃と見なされます。

七搶一は八台役(八翻役)として扱われます。

尚、第一摸牌または嶺上牌を取る事は形式的なものに過ぎず、手自身は和了の形になっていなくても構いません。

但し、手も和了の形となった場合は、別途当該手を摸和したものとしても扱われます。

すなわち、七搶一成立時に手も和了出来た場合は、

  • 花牌一枚を手から抜出した者は、七搶一の和了点と手の和了点の双方を払い、
  • その他の二者は、手の和了点のみを払う

事となります。

  • 但し、手の和了点については、花牌関連の点数は加算しない事としております。

何故七搶一は廃止となったか。

台湾随一の麻雀愛好者団体である中華麻将競技協会は、民国101年(西暦2012年)から民国102年(西暦2013年)の間に七搶一を廃止しました。

何故、同協会が七搶一を廃止したのかは詳しい文書が公開されていないので分からないのですが、恐らく問題が多いと判断されたからでしょう。

誰かが花牌八枚のうち七枚を手から抜出していて、そのような残りの最後の一枚を掴んだとします。

実戦だったら、そう言う状況になったら、絶対に手から抜出そうとはしない筈です。

  • 抜出したが最期、七搶一に放銃してしまうのですから。

掴んだ花牌を手から抜出さずに握り潰す行為は、本来は罰則のない反則(暗相公(アンシャンクン))と見なされているようですが、七搶一がある以上罰則がなければ反則を犯さざるを得ないでしょう。

特にしらぎく麻雀などのコンピュータ麻雀の場合、花牌は自動的に処理されるのが普通ですので(いちいち花牌を抜出すのか代わりに別の牌を切るのかを入力させていたらそれこそウザったい)、こう言う状況だと七搶一に強制放銃と言う事になってしまいます。

恐らく、七搶一を廃止したのは、こう言った事が問題になったからなのでしょう。

その他の花牌を用いた特殊な和了形。

台湾麻将には、七搶一の他にも花牌に関連した特殊な和了形をルールで定めております。

それが、八仙過海(パーシェンクォハイ)と呼ばれる形です。

八仙過海とは、一人で花牌八枚を全部手に入れて手から抜出した場合に成立します。

七搶一同様、

  • 配牌直後の補花で花牌八枚全部を抜出した場合には第一摸牌時
  • 一局途中で花牌八枚を全部抜出せた場合は最後の一枚を抜出した直後の嶺上牌を引いた時点

で和了が成立します。

八仙過海は七搶一と違い、摸和と見なされます。

勿論、手も和了の形になっていれば、手の和了点も受取れる事となります。

八仙過海は七搶一のような問題が無いため、七搶一廃止後も公式ルールでは存続しております。